唇は乾燥し黒い。
声が低く力がない。
「急に強い不安感に襲われます。置いていかれるようでとても怖いです。」
このような状態が度々起こるようになり、先日も不安と怖さのため帰ろうとしたが、一人ではどうにもならず、家族に迎えに来てもらいそのまま休職している。
心療内科では睡眠剤と頓服を含め6種類の薬がでている。
「自宅にいると多少良いですが、やはり同じ症状に襲われます。」
脈は細く遅く短い。
気虚血オだ。
気が不足し血を動かせない。
気が不足すれば血を作れず、少ない血ではますます流れない。
気と血が不足しては、心(心臓)は奮い立たず、強い精神不安が起きる。
「忙しかったですか?」
「来る日も来る日も大変で疲れていました。本当に・・・。」
この方は肉体疲労と思い悩むことで、心の気血を消耗し、精神の問題が起きてしまった。
「背中にコリのような違和感はありませんか?」
「肩甲骨の内側に感じます。」
「動悸を感じますか?」
「時々ですけど感じます。それと胸にゾワゾワするような変な感じがすることがあります。」
心(心臓)の血流が悪い。
気持ちの症状も大変であるが、血オ(血が流れない)が発生していることを見逃してはならない。
心筋梗塞を起こす可能性がある。
過労死だ。
「健康診断をするつもりで病院で診てもらいましょうか。動悸がして胸に違和感を感じますと伝えると、しっかり診てもらえるはずですよ。」
仮に問題なしとの診断でも、東洋医学上は脈に現れている。
「心の気血を補い、気持ちをしっかりさせるように治療を進めます。」
同時に過労死を防ぐ治療も行なう。
補った気血を巡らせ、心筋梗塞を防ぐ。
まだ若い。
死んではいけない。
こんなにも誠実に仕事を行なっているのに。