東洋医学の考え方

東洋医学において最も重要な考え方は臓腑学です。
                 
東洋医学でいう臓腑は、西洋医学のものとは異なります。

臓腑はそれぞれ独立したものではなく、相生・相剋という関係があり互いに強く影響し合っていて、ひとつの臓腑に変調が起こると他の臓腑も影響を受けます。
                 
また体内に位置する臓腑は経絡を通して体表とつながっているので、五官(目・耳・鼻・口・舌)や筋肉・皮膚・血管・爪や経絡上に点在する経穴(ツボ)などに影響が及びます。
                    
さらに臓腑は精神(感情)とも密接な関係があり、臓腑の変調は怒りっぽくなったり不安になったりと感情を変化させます。

反対に体表や精神の問題は、臓腑に変調を起こし他の臓腑に影響が拡がります。

このように臓腑を中心に心身や病を考えることを臓腑学と言います。
                 
東洋医学の診断と治療はこの臓腑学をもとに行ないます。

臓腑の変調は、特に体表の顔・腹・脈に様子が現れます。この様子を診る方法が望診・腹診・脈診といわれる東洋医学独特の診断法で、特に重要なのが脈診で診断を決定付けるものです。
                 
実際の診療では臓腑・経絡や陰・陽・気・血の様子を探り、疾病の本質を見極めます。その結果をもとに治療方針を決定し治療を行ないます。