「目の残存機能が、右が40%を切っていて、左が50%を切りそうな状態と言われました。見にくいので慣れた仕事も時間が掛かってしまいます。会社には多少の病状の説明はしましたが、いろいろ考えると心配で、詳しく伝えないといけないことは分かっているのですが・・・。」
脈診の結果は肝風内動。
睡眠不足・過労・心労などで過度に血と水を消耗したため、強い熱が発生し、その熱が目を襲い眼圧を上げたり機能を低下させている。
「日頃から頭痛がしたり眩暈がしたりイライラすることが多かったです。」
肝風内動ではよく現れる症状で、これらの症状が出始めた時に何らかの対応をしていたら、目の様子は今と違っていたかもしれない。
また五感に現れる症状は発症直後の治療と養生がとても大切だが、実際には気が付くことが遅れることが多いため、その後の治療が難しくなる。
「気を付けることは睡眠です。しっかりと睡眠時間を取り、できるだけ早寝早起きをして下さい。それと朝ご飯と昼ご飯を抜かないようにして下さい。夜ご飯はその後は寝る時間ですから、食べ過ぎると栄養が余り血が汚れるので、緑内障が悪化しやすくなります。」
睡眠で血と水を増やして目の熱を冷まし、朝昼の食事で血と水の材料を摂取する。
「〇〇さんの緑内障は、東洋医学上は目に入り込んだ強過ぎる熱が目の働きを低下させていますので、日中の水分補給も大切です。お小水の回数が減ったり色が濃くなると体の水分が減っているサインなので、目の熱がさらに強くなり危険です。一度にたくさんの水分を補給することは眼圧に良くありませんが、水分が足りないのは肝風内動に良くありませんから、適度に水分を摂って下さい。」
目から得られる情報はとても多い。
目(五感)の治療は細かく細かく丁寧に丁寧に行い、症状の進行をできるだけ遅くしなければ、生活にも仕事にも大きな変化を及ぼす。
一生懸命仕事をして体の機能を失う。
この方のこの先の人生はまだ長い。
どう考えると良いだろうか。