「指がアカギレのように切れてしまって、なかなか傷口が塞がりません。夏は切れることはほとんどありませんが、シワが深くなっていて切れそうな感じです。秋口から次の年の春までは、ほとんど切れていてなかなか塞がりません。お客さん相手の仕事なので、見た目も良くなくて困っています。それと水を使うと痛くて・・・。」
傷口はやや暗い赤色で、乾燥していて周囲のシワが深い状態です。
脈診の結果は気滞血瘀。
かなり気を使う仕事なのかストレスが多いのか、気滞が発生しています。
気滞は気の流れが滞ることで、気に先導され動く血は流れることができなくなり瘀血(古い血)が溜まっていきます。
瘀血が発生すると肌は乾燥し、ざらざらしたりデコボコしたり剥がれたり柔軟性を失い、関節部の伸び縮みする皮膚は裂けて口が開いてしまいます。
瘀血が停滞して動かないと新しい血が患部に来なくなるので、肌はいつまでも修復されず傷口は開いたままになります。
この方の傷口が暗い赤色なのは、瘀血が溜まっているために暗い色になっています。
瘀血が溜まり続けると、瘀血が気の流れの邪魔をしてさらに気滞が強くなり、強くなった気滞は新たな瘀血を作り、気滞と瘀血の悪循環から抜け出せなくなります。
仕事や日常のストレス以外でも、大病による闘病生活の中での不安や心配で気滞血瘀は発生し、そのために手術のメスの痕がしっかり閉じなかったり、ケロイドの発生に関係することがあります。
強い気滞血瘀のために患部に新しい血が全く来なくなると、傷口は白色になり周囲の肌色もなくなり白斑が現れることがあります。
傷口とケロイドと白斑は様子が違いますが、気滞血瘀の影響を受けていることが多く治りにくいことも特徴です。