発達障害と鬱

脈診の結果は脾腎陽虚。

食事の内容が悪く脾陽虚が強いため、先天的に弱い腎陽が強くなれない。

仕事の能力は非常に高いが転職を繰り返している。

周りとの関係がうまくいかないために職場にいづらくなって辞めてしまう。この繰り返しで鬱を発症した。

腹の内のことが表情に出やすかったり、ちょっとした発言に驚かれたり、疲れていると話すことが面倒になったりで、周りの人と距離ができてしまう。

職場の対人関係がうまくいかないのは発達障害がもとになっている。そして発達障害の原因が腎陽の弱さで、親から受け継いだ力が不足しているのだ。

鬱症状を発症しているが、発達障害からくる鬱症状(重ね着症候群)なので発達障害を中心に治療を進める。

この方の場合、先天の精(親から受け継いだ力)の不足はわずかで発達障害は軽度だ。

しかし小さなころからの飲食の問題があり、わずかに足りない先天の精を、後天の精(飲食したものから作られる力)で補うことができなかったため、発達障害の症状が強くなってしまった。

体質が脾陽虚であると、母乳を吐いたり・下痢が続いたり・離乳食への移行がうまくいかなかったり・よだれが多かったり・食事の時間が長かったり、小さいうちに胃腸の症状がでることが多い。

特に離乳食を嫌う傾向があるため、口にしやすい小麦粉(パンなど)・甘いもの・果物・生ものを早期に与えてしまうと、脾陽虚が進行し後天の精が作れず先天の精の不足を補えないため、発達障害の様子が強くなる。

この方は発達障害を見逃され、二次的に現れた症状(鬱)だけを治療しても良くならず、仕事も日常もつらくなってしまった。

そんな方はきっと多いのだろう。