ゆっくり話す発達障害と不登校

「えーと、そうだと思います。」

質問に対し慎重に考えゆっくり答える。腎精が不足している。(腎気虚)

「小さい時から話すのがゆっくりで周りとのコミュニケーションがうまくいかなくて不登校になってしまって・・・。」お母さんも心配が続き疲れている様子だ。

特に複数の同級生が楽しく話をしている場面では、何も話せず強いストレスを感じる。

好きなアニメやゲームなど内容が決まっていれば話せるが、何でもない日常の話となるとほとんど話せない。

そのため何となく壁を作ってしまい、相手がその壁を感じていることを理解していてどうにも仲良くできない。

「僕と似た感じな子がいてその子とならいいのですが、他の同級生とはうまく話せません。その子が学校を休むととてもつらかったです。」

自分の気持ちをゆっくり考えながらゆっくり教えてくれた。

中学一年生の途中から学校へ行っていない。今は三年生の秋で進路を決めなくてはならない。

「一年生の時の仲の良かったお友達と担任の先生が交代でノートを持ってきてくれるので、それをもとに一人で勉強をしていますが、どのようにして進路を決めればよいか私もこの子も困っています。」

脈診の結果は腎精不足(先天の精の不足)。

先天の精(親から受け継いだ力)がやや不足した状態で生まれ、後天の精(飲食したものから作られる力)により不足した先天の精が補われることなく中学生になった。

飲食の内容があまりよくなかった。

腎精不足の子は成長がゆっくりなことが多く、話し方も動き方ものんびりしてしまう。

腎精不足が軽度であれば学習や運動も問題ないが、会話はゆっくりでどうしても違和感があり問題が起こることがある。

発達障害と言われたり心療内科の病名がついたり心臓が弱いと言われたり、診てもらう医師により診断は様々だったようだ。

脈診からすると軽度の発達障害に当てはまる。

発達障害のために対人関係がうまくいかない悩みが現れていて、額や頭部のでき物はそのためだ。

肘膝などのアトピー性皮膚炎は、腎精不足から脾腎陽虚を招き発症したものだ。

この学生さんの場合、脾腎陽虚の治療は腎精不足の改善につながり、心身の力が増し話し方がしっかりとし落ち着いて会話ができるようになり、健全な大人に成長していく。

陽虚なので眠気・だるさなどがあり元気がない様子で、無理をしてはいけない・ゆっくりしなさいと指導されている。

陽虚の養生は少しずつ動くことが大切で、ゆっくりすればするほどだるく・眠くなる。動く量は脈で判断し決める。

腎は脳を支配する。腎精不足の治療は脳の治療につながる。

これから数年の成長は、この学生さんの将来にとても大切になる。