コロナ後遺症と口の渇きと食欲不振と胃食道逆流症

「コロナに感染して熱は下がりましたが、口の渇きと食欲が戻らないのと胃のあたりの違和感が治まりません。シェーグレン症候群を疑い検査をしましたが違いました。」

他にも、吐き気・飲み込みにくい・胸のつかえ・しゃっくりなどが続いている。

脈診の結果は肺胃津傷をもとにする胃陰虚。

コロナに感染したために現れた発熱と炎症が、肺と胃の津液(身体の良い水分)を焼いて乾燥してしまった状態。

胃の乾燥は口の渇きと食欲減退を生む。

この方は胃の乾燥がさらに進行し、胃陰虚を起こしていて虚熱が現れている。

虚熱の熱の性質が胃の内容物を押し上げてしまい、胃食道逆流症を起こしている。

肺胃津傷と胃陰虚からシェーグレン症候群にはつながらない。

感染時に生理・睡眠不足・仕事や勉強が忙しい・スポーツなどで津液が不足していると、比較的簡単に肺胃津傷や胃陰虚になりコロナの後遺症が現れる。

「確かに忙しくて疲れている時に感染しました。」

また感染後に津液の回復が十分でないまま、すぐに仕事・学校・スポーツに復帰してしまうのも、肺胃津傷や胃陰虚につながりやすい。

津液が多くても、感染時の発熱や炎症が強ければ大量の津液を失い、後遺症が現れやすくなる。

温疫(コロナなどの感染症)は発症時から津液の減少を想定して、治療を進める必要がある。

身体の中にある津液で発熱や炎症を最小限にし、津液の量がもとに戻るまでは養生を続けることが大切で、そのように治療を進めることが後遺症対策になる。

また津液に目を向けることが、コロナ後遺症の治療につながる。

「身体の水分が増えるように生活してみます。」

治療は腎と脾をしっかりさせ津液を増やし、その津液で胃を潤わせるようにする。

胃陰虚の症状が長く続いている。

この嫌な症状を早く改善しないと、この方の気持ちがまいってしまう。