指の側面を中心に指の背面や手の甲に、小さな水疱ができている。
黄色い滲出液がにじみ、ただれているところもある。
「指のアトピーも痒いのですが、お尻の痒みが強くてじっとしていられません。」
やや体臭が強い。
油の摂取量が多い。
「揚げ物は確かに多いです。病院の検査では肛門に強い炎症があるけど原因がはっきりしないと言われ、今は検査の結果待ちです。」
脈診の結果は湿熱下注。
肛門の激しい痒みはカンジダによる症状だろう。
この方の弱い胃腸では、揚げ物が多かったり、オリーブオイルやココナッツオイルなどを調理せずそのまま口にすると、油はほとんど消化できず胃腸を素通りし肛門に溜まる。
溜まった油は炎症を起こし強い痒みを発生させる。
さらに菌を繁殖させるので一層症状が強くなる。
また粘りのある油は、水や血のようにスムーズに流れることができないので、液体の通り道の三焦に滞ってしまい、三焦の主要路の手指にあふれ出る。
油で手指の肌は荒れ滲出液は黄色になる。
どんなに良い油でも消化能力が弱い人には毒になる。
「オリーブオイルやココナッツオイルは加熱しないほうが良いので、料理やパンにかけてそのまま食べてました。健康にも肌にもいいかなと思っていましたが、私のお腹には負担だったんですね。」
栄養学で優れた食べ物はたくさんあるが、その人に合うかは別問題だ。
東洋医学の脈診はその判断にも威力を発揮する。