額・こめかみ・耳周り・側頭の下部・顎のライン・眉・眉間・鼻の根元・うなじの肌が赤く盛り上がり、赤いアトピー性皮膚炎が全身に広がっている。
「頭髪の輪郭がぐるっと一周脱毛してしまいました。輪郭以外も髪が薄くなってきてこの先どうなるのか心配です。」
やせていてむくみはない。
脈診の結果は風熱。
アトピー性皮膚炎の熱が強いため、上昇する風が生じ髪をさらってしまった。
この方はできるだけ自然な方法で治そうとしていたが、強い熱にうまく対応できず脱毛した。
風熱のような極まった症状は長引かせない方がよく、二次的に血と水の枯渇というアトピー性皮膚炎にとって一番心配な症状を引き起こす。
特に血の材料である水の枯渇は絶対に発生させてはいけない。
「水分を摂っても口の乾きが治まりません。便秘もひどいし顔や手足がほてります。不眠がひどく薬を使っていますが、短い時間しか眠れません。」
水が足りない(陰虚)時の典型的な症状だ。
陰虚が現れたアトピー性皮膚炎はかなり進んだ状態で、風熱と陰虚が重なると新しい髪は生えにくい。
しかし毛根が残っていれば髪を戻す方法はある。