体全体が強く乾燥している。
首の前面と側面・肘の内側・膝の裏側・手の甲などは黒くなっている。
脈診の結果は血虚血瘀。
血の量が少ないため流れが停滞し血が濁っている。
血が少ないため肌は黒く乾燥し、血が濁るためさらに黒くなる。
肌が黒いため毒素(血瘀)が原因とされ、東洋医学を得意とする病院で瀉血(血を取り除く)を続けている。
この方のアトピー性皮膚炎は血虚(血の不足)から発生した血瘀が原因だ。
瀉血をしてはいけない。
根気よく血を増やす治療をすると、血が流れ始め濁りが無くなり肌は明るく潤う。
肌が荒れる・肌色が黒いとすぐに毒素(血瘀)が原因と診断してしまうが、血瘀にはいくつも種類がある。
血虚がもとになっているのに瀉血を続けると血虚が極まり、この方のように強い乾燥と黒さが全身に広がり、夜の痒みが激しくなり眠れなくなる。
「夜の痒みがつらくて、寝るのがとても怖いです。」
「血が増えてくると少しずつ眠れるようになります。睡眠を基準に肌の変化を診ていきましょう。」